けじめ

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「……今度こそ、本当にいいんだな?」 「あぁ」 俺は秀玲体育館を出て、ゆっくりとその扉を閉めた。 多分ここに来ることはもう無いだろう。 でも未練も後悔もない。 今日、全部すっきりしたから。 そしてまた、戦うことが出来るから。 「皆」 俺が呼び掛けると、一斉に皆がこっちを向く。 「……本当に、ありがとう」 皆に感謝の気持ちを伝える。 囃し立てるメンバーは一人もいなかった。 このチームなら大丈夫。 大切なものを得ることが出来る。 そして、上に行ける……!! 「よっし、んじゃ本格的にまた明日から戦いだ!! そんでもってそろそろランクアップチャレンジもやるぞ!!」 「おおっ!! ついにAランクか!!」 トーヤが反応する。 それにユウはニッと笑う。 「Aランクからは本当に別次元の強さだ。 でも俺らなら勝てるっ!!」 「おう!!」 「やってやろうぜ皆!!」 「おっしゃあ!!」 全員が気合いを入れ直す。 明日からの戦いも厳しいものになるだろう。 でも戦っていける自信も、勝てる自信もある。 それくらい今日はいい日だった。 やってやる。 絶対にもう負けない。
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