因縁

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「ま、試合を楽しみにしてるぜ」 そう言うとギルトは歩いて去っていく。 だが、他の連中は動く素振りを見せない。 「いいのか? あいつ行っちまうぞ?」 「ギルトはマイペースなので。 試合ではその力を発揮しますよ」 「へぇ、中々信頼を置いてるんだな」 「もちろんです。 ギルトはうちのエースですからね」 「エース……?」 ラッドから出て来た‘エース’という言葉。 それには俺もヨウも、他の皆も反応した。 俺からすれば、ちょっと変という程度で、あまり強そうには見えなかった。 「今回は私達もメンバーが揃っていますので。 全力を以ってチャレンジを受けたいと思います」 再びニコッとするラッド。 今回は……というのは、前回は全力では無かったということ。 言葉と表情から、余裕が読み取れる。 「その前にウルドには負けないで下さいね。 11位程度に負けたら、話になりませんからね」 「……負けないさ。 何せランクアップチャレンジ3連勝は、出来て当然だと思って受けてるんだからな」 ラッドに言い返す俺。 あくまで冷静に。 「……では、試合を楽しみにしていますね。 それでは」 するとラッドや他のメンバーは一気に移動を始める。 前哨戦はとりあえずこんなもんか……。 ……覚悟しろよ、Jokers。
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