因縁

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「よくキレなかったな」 「当たり前だ。 ここでキレたらあいつらの思うつぼだからな」 「それにしてもエースか。 俺からすれば、まだカマの方がエースっぽいけどな」 「気をつけろよヨウ。 あいつらのことだし、何考えてるか分からねぇ」 「あぁ。 まぁ本当に実力があろうが無かろうが、俺は負けない」 「さっすがぁ!! 頼んだぜ、エース!!」 実力でなら、ヨウが負けることはまずないだろう。 心配なのは、向こうがどんな手を使ってくるかだ。 ……もっとも、Aランク2位の相手だ。 普通に強いのは間違いない。 まずはウルド戦。 そこにしっかり勝ってからだ。 「先にコート入りしたのはRed eye!! 大注目のチャレンジャーが先に現れたぁ!!」 俺らがコートに入ると、既に実況がいて、観客を煽る。 Aランク専用の4番コート。 観客収容人数が多いにも関わらず、席はほとんど埋まっている。 これがAランク。 トップチームの戦う場所。 「来たぁ!! 今度はウルドだぁ!!」 そして対戦相手のウルドがコート入り。 会場はもちろん沸く。 11位とAランクの中では下位ながらこの人気。 Aランクというだけで、既にトップチームの証。 当然のように人気も出て来る。 俺は経験があるから大丈夫。 皆は呑まれてないだろうか……。
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