因縁

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試合開始前。 会場も静まりを見せる。 「さぁ、皆準備はいいか?」 俺が全員に問う。 「あぁ」 全員がすぐに返事をする。 その表情は、戦う意志が強く見られた。 ……心配なんて、全く必要無かったな。 「よし、じゃあ大事な1戦目……勝つぞ!!」 「おう!!」 会場の雰囲気に呑まれず、一つの目的に向けて戦う。 そんな強い心は、ここまで積み重ねてきたものに他ならない。 このチームなら本当に上にいける。 改めてそう思った瞬間だった。 「試合終了!! 勝ったのはチャレンジャー、Red eyeだぁ!!」 終始俺らのペースで進んだ試合。 全員しっかり出場し、Aランクで戦えることを証明した。 試合中にはどんどん応援が俺らに向けられるようになっていった。 強者が持て囃される世界。 Aランクはそれが更に強い。 ……まぁ、悪い気はしないけどな。 「43-28でRed eye!!」 「ありがとうございました!!」 まずは順調な滑りだし。 そして明日、運命のJokers戦。 言ってしまえば、勝たなくてもランクアップの可能性はある。 だが、Jokersだけには勝たなければならない。 リベンジ出来ない限り、俺らはいつまでも頂点には立てない。 そう思うからだ。
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