文化祭前日

7/16
前へ
/205ページ
次へ
どうしても、気になってしまう。 私が落ち込んでるとき、励ましてくれたから、私も力になりたい。 「愛結?」 「ごめん。ちょっと外すね」 「うん。わかった」 奈々ちゃんに言ってから、教室を出る。 どこにいるのかな。 校内のほとんどを探し回り、ようやく見つけた。 「葉山先生…!!」 思わず、大声で叫んでしまった。 かろうじて、今はこの廊下には誰もいない。 葉山先生がこちらを振り向いた。 「神崎…」 目を丸くしてこちらを見ている。 「なに、してんの」 「先生を、探してました」 走っていたため、少し息が切れている。 体が、ポカポカ熱い。 まだ9月だ。 空気は蒸し暑い。
/205ページ

最初のコメントを投稿しよう!

117人が本棚に入れています
本棚に追加