名前

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ただ、その子に言われて誰だろう、って思って名簿見ただけかもしれないけど…。 こんな些細なことだけど。 嬉しい。 「そうですか。それなら、役に立てたんですね。よかったです」 ニコっと笑って鞄を肩のにかける。 これ以上、話すことはなにもない。 それはイコールここにいてはいけないということ。 「それじゃあ。先生、さようなら」 「なあ、神崎」 歩き出してすぐに先生に呼び止められた。 先生は、さっきいたドアの位置からこちらに近づいて来ている。 「なんですか?」 途中で立ち止まり、先生のほうを向く。
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