第一章

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「す、すみませんでしたっ!!」 私が必死で謝ると、その男は大きなため息をついて授業を再開した。 「はぁ…」 倒れたイスを起こしてため息をつくとあかりが教科書を盾にしながら振り返った。 「んで、何食べたの?」 「は?」 「夢の中でだよ。『いっただっきまぁ~す』って言ってたじゃん。」 「ああ、アレね。カレーだよ。でも、厳密に言えば“食べる一歩手前”だったんだけどね。」 「夢の中でもカレーって、どんだけカレー好きなんだっつーの。」 あかりはケタケタ笑っている。 「っていうか、そんなことより、千奈美最近授業中寝すぎじゃない?秀ちゃんに怒られるの、これで何回目?」 「うーん…、怒られすぎて覚えてないや。でも、寝てるのは、数学の授業のときだけだからさ。」 .
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