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一見何の関係性が無さそうな二人だが共通点があった。
首から一眼レフのデジタルカメラを下げている。同じように使い込んだカメラだ。
エン・シェンとジャクリーン・エマーソン。
NOISEのカメラマンである。
「シオ捕獲~!」
素っ頓狂な声を上げたエンとジャクリーンな両腕を抱えられ、シオ再度保健室に押し込められた。そのまま勢いでシオを椅子に座らせる。
「な、何ですか?!」
「何ですかじゃないよシオ!」
ジャクリーンが至近距離からカメラのレンズを近付けて迫る。エンも同じ事をやってきた。
「リントさんのメーリス見たよなぁシオ~。あれ見てわかんねぇかなぁ~。」
「スクランブルよ、シオ。とんでもなくヤバい奴!」
至近距離から二つのレンズに迫られて、まくし立てられいくうちにシオの困惑は益々強くなる。
「見ました、よっ!」
シオはジャクリーンとエンを払いのけてデスクの上に避難した。カルテが散らばる。
「どういう状況なんですか?」
「わかんね!ただ生徒会絡みだ!」
まだレンズを向けてくるエンが威勢良く答えた。ジャクリーンも同じ構えで頷いた。
「間違い無いね。生徒会の動きがおかしい。」
「生徒会…。」
シオの心が息巻く。戦いの予兆が鼓膜を震わせた気がした。
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