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ふと、シオは疑問符を浮かべる。
「…それより、なんで俺の居場所が分かったんですか?」
「屋上で一悶着起こして保健室に籠もったんだろ?」
「ペネロペ先生から聴いたのよ。」
シオは渋い顔をする。随分と耳が早い。
ジャクリーンはシオの右肩を掴み、顔を近づけた。活き活きと目を輝かせている。
「よーっし、指令の通りに出張ろう、シオ!」
「ど、どこに?」
「取り敢えず外に出るんだよ!」
エンが同じようにシオに顔を近付ける。
「エン!アンタはクローズドホームな!」
「うぃ!ジャクリーンは森林地帯な!あっちが何やら騒がしい!」
「ヤー!忙しくなるぜ!」
シオの意を介さずエンとジャクリーンは勝手に会議を始める。
「ちょ、ちょっと…」
「シオは私が連れて行くから!」
「いやいやクローズドホームに行く俺っしょ!」
「馬鹿!森林地帯が爆心地ならクローズドホームはがら空きじゃん!余裕だろ!」
「じゃあジャンケンだ!」
またシオの意を介さない会話、そしてジャンケンの応酬。
「よーっし!私の勝ち!貰ったぁあぁ!」
ジャクリーンがはしゃぎながらシオを引っ張って連れて行く。
「ずっりぃ!今後出ししただろぃ!」
「知らないね!ほら行くよ、シオ!」
「いや、だから、待っ…」
混乱したまま、シオはたった二人のペースに流されていく。
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