5.コーリング・ユー

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ふと、シオは疑問符を浮かべる。 「…それより、なんで俺の居場所が分かったんですか?」 「屋上で一悶着起こして保健室に籠もったんだろ?」 「ペネロペ先生から聴いたのよ。」 シオは渋い顔をする。随分と耳が早い。 ジャクリーンはシオの右肩を掴み、顔を近づけた。活き活きと目を輝かせている。 「よーっし、指令の通りに出張ろう、シオ!」 「ど、どこに?」 「取り敢えず外に出るんだよ!」 エンが同じようにシオに顔を近付ける。 「エン!アンタはクローズドホームな!」 「うぃ!ジャクリーンは森林地帯な!あっちが何やら騒がしい!」 「ヤー!忙しくなるぜ!」 シオの意を介さずエンとジャクリーンは勝手に会議を始める。 「ちょ、ちょっと…」 「シオは私が連れて行くから!」 「いやいやクローズドホームに行く俺っしょ!」 「馬鹿!森林地帯が爆心地ならクローズドホームはがら空きじゃん!余裕だろ!」 「じゃあジャンケンだ!」 またシオの意を介さない会話、そしてジャンケンの応酬。 「よーっし!私の勝ち!貰ったぁあぁ!」 ジャクリーンがはしゃぎながらシオを引っ張って連れて行く。 「ずっりぃ!今後出ししただろぃ!」 「知らないね!ほら行くよ、シオ!」 「いや、だから、待っ…」 混乱したまま、シオはたった二人のペースに流されていく。
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