6.風雲逆巻く

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「速えぇっ?!」 「押し通る!」 ブースターを盛大に噴かせてスレイプニルが迫る。エドガーの想定を遥かに超えた速度だ。 「邪魔すんじゃねぇぞ!」 エドガーは槍を縮め、通常の長さにすると投擲の構えを取る。 「おらぁ!」 エドガーが投擲した槍には魔力がタップリ練り込まれている。 アルスが弾き返そうブロードソードを構えた瞬間、エドガーは指を鳴らした。 「イグニッション!」 「っ?!」 アルスが察したのも遅く、眼前で強烈な爆発が起こる。 「取ったか?!」 だが爆煙を突き抜けてアルスが姿を現した。焼けたコートを脱ぎ捨ててアルスは哮る。 「させぬさ!」 ブロードソードに光が差し、光の刃が剣を覆う。 「ムーングラム!」 大きく刃渡りを伸ばした剣の一閃でエドガーの体は吹き飛ばされた。 「手応えが鈍いっ…!」 スレイプニルを手繰り寄せ、アルスはエドガーが吹き飛んだ方向を睨む。 「うぜっ…!」 唇から漏れ出た血を拭い、エドガーは体に纏わりつく折れた枝葉を払って立ち上がる。 両腕は銀色のガントレットに包まれていた。投擲した槍をセブンスミスで錬成し直し、ガントレットを作ったのだ。 「詰まんねぇ人生だよな。外からも内からも邪魔されてよ。無様にも程があるぜ。」
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