6.風雲逆巻く

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「どこから誰が出てこようが一発でのしてやっからよ!」 自信満々に云い切られても締まりが無い。レベッカはぎこちない笑みを返すだけだ。 「おい、ありゃなんだ?!」 執行部員の声と指す指の方向に月虎とレベッカは向いた。 空に大量の光の杭が浮いている。どれも鋭い先端を地上に向けていた。 「っ!まさかっ…!」 レベッカが顔色を変えた瞬間、一斉に光の杭が降り注いで来た。 「集まって伏せろぉお!」 月虎が怒号を飛ばす。執行部員が集まって身を屈めたタイミングで月虎は躍り出た。月虎は武器を高々と掲げ、力の限り振り回した。 「どおりゃあああああ!」 回転する刃が光の杭を弾き飛ばす。刃にかからなかった杭は周囲で爆発し、地面を穿いた。 一頻り回している内に杭は消え去ったようだ。 「何だよ、今の…。」 レベッカは呆然とした顔でまだ空を見上げている。 月虎は武器を下ろして空を一睨みし、振り返って手勢を見渡した。初めて締まりのある顔になった。畏怖がある。 レベッカは身震いした。 「お前ら、覚悟決めとけよ。またあぁ云うの来るかもだぜ。」 「す、進むんですか?」 執行部員の男の一人が情け無い声を上げる。月虎は怒りもせず、真っ直ぐその男を見詰めた。貫かれるような瞳だ。 「キツかったら下がれ。だが俺は進むぜ。 男は味方以外に背中向けちゃなんねぇからよ。」 月虎はフッと微笑むと、踵を返して前進した。歩調は乱れていない。 初めは月虎が一人で前進していたが、レベッカが追随したのを皮切りにぞろぞろて皆付いて行った。バラバラだった足並みは次第に一塊となる。 一繋がりの行進が生まれた。
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