6.風雲逆巻く

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「羽目外すのは後にしろ。」 厳粛に云い放ち、飛白は踵を返した。障る枝葉をかき分けてツカツカと進む。 「計画は次の段階に?」 アルスはスレイプニルを光の珠に戻し、自らに帰した。飛白の後ろを付いて行く。 「らしいぜ。奴らも大人しくやられてばかりいる訳でもあるめぇ。」 「囲まれますな。」 「望む所だぜ。こっからはタマの取り合いだ。」 「高ぶってますな!」 アルスに嬉々と指摘され、飛白は複雑な面持ちになる。 「我を忘れる程じゃねぇよ。」 「それは結構!今はただ謳歌しましょう!」 「アマデオ程じゃねぇがうぜぇな、てめぇも。」 意気揚々と前進するアルスの歩調は速い。飛白は舌打ちし、並行した。 「……。」 アルスの放ったアルテマドロップは地面に小さなクレーターを作った。歪な凹みの中でアルフレッドは立ち上がる。シャツもベストもズボンも泥だらけだ。肌には傷や土埃が付き、血が滲んでいる。 「失態…。」 アルフレッドは唾を吐いた。血が混じっている。口の中で鉄の味が広がっている。不快だ。 「奴ら…」 アルフレッドはポツリと云った。 「奴ら…。奴ら…!奴ら…!!」 語調がせり上がる。 「奴ら!!!」 アルフレッドは憤怒に達した。
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