7.バーン・ユア・ドレッド

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「会長!」 焦燥が滲む声を受けて、レイルは思案を止めた。振り返るとサリアが駆け寄ってくる。 リカルドの有能な助手だがリカルド程肝は据わっていない。表情で彼女の心境は手に取るように分かった。 きっと悪い知らせだ。 「サリア、走ると髪が乱れるよ。」 「えっ?あっ!」 サリアは荒れて額や頬に張り付いた髪を慌てて直した。粗方整えると、一息ついてレイルに向く。 「リカルドがいる本営にスヴェインとアマデオが現れました!後陣はもう混乱状態で…」 「なるほど。」 レイルはサリアに背を向け、広間を回ると屈んだ。 本営付近で一人の男が動いている。男が一度動く毎に辺りにいる執行部員が倒れた。 「…タダでは背を向けない、か。」 レイルは立ち上がり、出入り口に向かってツカツカと歩き出した。 「プ、会長?!」 慌てて追い掛けるサリアにレイルは涼やかな笑みを返す。 「援護するよ。今はみんな忙しいからね。」 「しかし…」 「これ以上脱落者を作りたくないんだ。折角約束したのに。」 「約束?」 レイルは再び歩き出す。 「みんなを連れて行く。ちゃんとした未来へね。だから行くよ。 守らなきゃ。」 レイルは胸に手を当てた。強くシャツを握る。 「まだ終わる訳にはいかない。」
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