7.バーン・ユア・ドレッド

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森林地帯。 「ソーンチェーン!」 スヴェインが唱えると地面から大量の鎖が生まれ、周囲の人間を薙ぎ倒す。 「今度はメイデンさんの魔法…?!」 「何なんだ、アイツは?!」 挑む執行部員の顔はすっかり恐怖に染まっていた。及び腰になり、足が前に進まなくなる。 次第に後退る執行部員にスヴェインは舌打ちする。 「チキン共が!」 スヴェインが指と鳴らすと、ソーンチェーンは一斉に伸び、執行部員達を網羅する。 「イグニッション!」 網羅するソーンチェーンが次々と爆発し、執行部員達はバタバタと倒れていった。本営前は沈黙に包まれる。 スヴェインは足元に転がった執行部員を蹴り飛ばし、また舌打ちした。 「テメェらの上司の術に勝てねぇのかよ。タカが知れてんな。」 スヴェインはダガーを仕舞い、本営のテントに向かった。 「っ!」 不意に、爆発で発生した煙を貫いて光り輝く矢が前方に飛び込む。スヴェインは身構えて辺りを探った。 「生き残り…?!いや、違う!」 探る内にまた二本、矢が飛んでくる。次の狙いは正確だ。スヴェインの肩と足へ向かっている。 「ソリッドリムーブ!」 スヴェインは体の前に波紋を作り、矢を防ぐ。矢は騒がしい炸裂音を立てながら床に転がった。 アーチェリーで使う競技用の矢だ。半分近くが溶けて無くなっている。 「レイルっ…!」 煙はとうに晴れていた。スヴェインは怒気を込めて、矢が飛んできた先を睨む。 校舎の屋上に佇むレイルを。
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