7.バーン・ユア・ドレッド

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屋上。 「やれやれ、ソリッドリムーブも盗られたか。」 レイルはアーチェリー用の弓を下げて嘆息した。腰に付けているケースから矢を三本取り出し、弓につがえる。 傍らに立つサリアはスヴェインの攻防にすっかり驚嘆したようだ。 「あれが…アーツスナッチ…!」 「そう。自身が記憶した召還系以外の術をコピーし、引き出す魔法。アイツに手の内を見せる事は自殺行為にも等しい。火に油をくべるのと同じ事だからね。」 「そんな、無敵じゃないですか!」 「いや、そうでも無い。」 レイルは冷静だ。再度弓を構えた。 「オリジナルの術や元来扱いが難しい術は術者のポテンシャルが大きく影響する。素人が銃を扱えないのと一緒さ。術は使い手を選ぶ。」 レイルは弦を引き絞り、狙いをつける。 「それに、アーツスナッチにはリスクがある。アーツスナッチを習得すると召還系以外の魔法をコピー以外で習得するのは不可能になるんだ。 今のアイツには借り物しかない。 本当のアイツは、何も持っちゃいないんだ。」 普段柔和なレイルにしては珍しく辛辣だ。サリアは目を細めて横顔を見た。スヴェインと不仲なのは知っているが、これ程嫌悪しているとは思っていなかった。 「スターリーアロー。」 レイルは矢を撃ち放つ。無慈悲な響きが空を震わせた。 三本の矢は初め矢玉の向きに沿って直進したが、途中両脇の二本が不自然に起動を変え、頭をスヴェインに向けて滑空していった。 また、途中から矢は青白い光に包まれていく。プラズマ化しているのだ。
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