7.バーン・ユア・ドレッド

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「くそっ!」 クローズドホーム。 リクとドロシーが取り調べ室に拘束されて一時間は経過している。リクの心は急くばかりだ。外では生徒会が大規模な作戦を進行中だろう。一刻も早く駆け付けよと心が喚いている。 だが向かいに座るルキアのクレパスにより取り調べ室は封鎖されていた。加えてルキアの傍らには巨躯のアッシュが控えている。二人共実力者だ。力付くで突破するのは難しい。 「フンフフフーン♪」 焦るリクの隣でドロシーは鼻歌を交えながら髪をいじっていた。随分悠長だ。一人くさくさしている自分が馬鹿らしくなる。 リクは憂鬱を込めて溜め息をついた。溜め息をつくと苛立ちが少し収まる。 「何やら一生懸命謀をなさっているようだけど…賢明なのは何もしない事って答えは導き出せたのかしら?」 ルキアが突き放すように云った。先程からスマートホンをいじっている。趣味に耽っているようだが外の情報を逐一受け取っているのだろう。 「ねーねールッキン。暇だからなんかアプリやらせてよぉ。」 場違いな猫撫で声が雰囲気を揺らす。ルキアは眉間に皺を寄せた。冷静に振る舞う彼女だがかなり癪に障っているようだ。 「あなたのような方が楽しむ遊技なんて持ち合わせていませんわ。」 「自分でダウンロードするからいいよぉ。一緒にやる?トイレットペーパー引っ張るゲームとか面白いよぉ。」 「お断りしますわ。」 頑とした態度で断られて、ドロシーは頬を膨らませて机に突っ伏した。
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