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「何?!」
リーシェンの体は数メートル吹き飛び、廊下に転がった。アッシュは素早く爆発の元を確認する。術者はいない。奇妙に思えたが遠隔系の魔法を使用して立ち去ったのだろうと推測する。
「クローズドホーム内に敵…?!」
状況の変化に当惑するリクの左足が蹴られた。首を向けるとドロシーがウインクしてきた。
意を察し、リクはコクリと頷く。
「緊急事態のようね。」
ルキアがクレパスを手繰り、また部屋を封鎖しようとした。
(今っ…!)
リクが一気に飛び出した。ルキアにつかみかかる。
「まぁ、野蛮な人。」
ルキアはリクの手を取り、軽く引き倒した。リクの体が床に叩き付けられる。鈍い音がした。
「ナーイス、りっくん♪」
ドロシーは手をピストルの形にして開け放たれたドアに向けた。
「ディメンションボーリング!」
ドアを薄い紫色の球体が包む。ドロシーが指を鳴らすと球体が破裂し、ドア周囲の壁ごと消失した。
「ルキアさん!」
異変に気付いたアッシュが引き返してくる。
「おのれっ!」
ルキアはドロシーを攻撃しようとしたが力が緩んだ隙を突いたリクに引き倒される。
「あっ!」
「ドロシーさん!」
「りっくん、おいで!」
戻って来たリクの左腕に抱き付き、ドロシーは無邪気な笑顔をルキアとアッシュに向けた。
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