7.バーン・ユア・ドレッド

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ジャクリーンはシオを覗き込んだ。鋭い視線だ。咎めているのでは無く、本音を暴き出すような視線。シオは思わず目を背ける。 ジャクリーンはゆっくりと口を開いた。 「チーフ達を編集室で釘付けにしている連中の注意を引くにはなるたけ大きな騒ぎを起こすのが一番。別に本気でやり合う訳じゃないよ?私は勘弁。適当に場を掻き乱して出来るなら人質を取って退散すんのが一番。」 理屈は分かっている。 シオは沈黙の中で答えを示した。 だが頭が分かっていても体が動かない。 ジャクリーンは溜め息をついて立ち上がり、踏み出た。 「何か別の方策があるなら私を引き止めて。個人的な事情があるなら私に言って。そうじゃないなら私一人でも行く。」 シオは弾かれたように顔を上げる。独りで行くなと空色の瞳が訴える。目映い細やかな反射は泣いているように見えた。剛毅にジャクリーンを止めている訳じゃない。隠せない怯えに似た迷いを孕んでいる。 「唆すんじゃないけど、シオ。逃げんのはダメだよ。悔いしか残んない。癖になったらお終いだ。」 ジャクリーンは凛然と云い放つ。口調は荒いが諭しているのは分かる。 シオは俯いた。 「分かっては、いるんです。でも…怖い。俺の中にいる何かが、また大きくなるんじゃないかって…」 「忘れた?未来なんてどうなるか分かんないんだぜ。しかも未来までお前は足掻ける。足掻けばいいじゃん!最悪が分かってるなら、最悪を回避する努力をすればいい。回避出来る可能性も、シオは捨てるの?」 シオは目を見開いた。
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