7.バーン・ユア・ドレッド

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シオは眼下の自分の両足を見る。指定の革靴に収まった自分の足。土にまみれ、微かな疲れを帯びている。だが、今現在、力強くシオを支えている。多くの経験を宿し、シオが意識しなくてもシオを支える責務を担っている。 自分の一部だが、両足が語り掛けて来たように感じた。 今は行け。 、、 征け。 シオは唇を引き結ぶ。 どうせまた悩む。 どうせまたぶつかる。 でも今はそんな諍いに足止めされなくていい。 いや、したらダメだ。 行くんだ。 徐にシオは立ち上がった。顔を上げて、しっかりとジャクリーンを見据える。 シオの胸中は言葉にせずともジャクリーンに伝わった。 ジャクリーンは頷き、にっと笑った。 「よっし、ヤレるアンタがいたら百人力だ。」 ジャクリーンの屈託の無い笑顔がシオの背中を押した。二人は意を決して本営前に向かう。 すると突然ジャクリーンの端末が鳴った。二人は飛び跳ね、慌てて身を隠す。ジャクリーンは苛立った顔で端末を開いた。 「何?!」 『おわっ!イライラしてんなぁ、ジャクリーン。』 軽薄な声。 エンだ。 ジャクリーンは露骨に失望を込めて溜め息をついた。 「マジ空気読めお前…。」 『えぇー…。クローズドホームの内情報告だよジャクリーンちゃん。』 「知らない!」 『ンな理不尽な…。』 エンは悲しげに云った後、気を取り直して続けた。
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