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「おーう!リク!アレン!」
教室に入ったリクとアレンを出迎えたのはシャーロック・ベルツの大声と、ルーイ・クラウスター・ジュニアことラウル・クラウスターだった。二人はラウルの机を挟み、向き合って談笑していたようだ。
「おっす。久し振り。」
「どうだったよ夏休みは?!」
シャーロックは夏休み前より日に焼けたようだ。首筋から頬にかけてあるトライバルのタトゥーが前より目立たなくなっている。大柄な体も筋肉がついて益々大きくなっている。
「まあまあだったな。ちょっと暇だったけど。二ヶ月は長いぜ、やっぱ。」
「暇ぁ?!俺なんて課題終わんなくて後半死にかけたぜ!」
「それはシャーロックの要領が悪いんだよ。」
ラウルに突っ込まれ、シャーロックはおどけた仕草で狼狽する。
「うわっちっちっち…イタいとこ突かれちゃったぜ。」
「ラウルはどうだったの?やっぱ名家だからどっか別荘に行ったとか?」
ラウルの隣に腰掛けたアレンに尋ねられ、ラウルは恐縮するような顔で答えた。
「そんなとこだけど…なんか今年はピリピリしててさ…。」
「なんだなんだぁ?離婚か?!」
不謹慎な単語を吐くシャーロックに賺さず手刀を見舞い、リクはシャーロックの隣に腰掛けた。
「違う違う違う!そんなんじゃないよ!ただ…」
ラウルは両手を忙しく振り、否定する。
「兄さんから連絡があったらしいんだ。もう二年ばかり音信不通だったのに…。」
アレンが首を傾げた。
「兄さんって…前のルーイ・クラウスター・ジュニア?」
「うん。本名はブルーノって云うんだけど。」
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