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セキュリティールーム。
「あ~~くそっ!」
中に入ったレイルを迎えたのは怒号だ。
セキュリティールームは直接爆発を受けたらしく、凄惨な被害だ。あのランドルド環の形をしたビジョンがノイズを走らせた状態で停止しており、パソコン等の機器がバラバラになっている。怪我人も特に多く、医療班が忙しく出入りしては怪我人を担架に乗せて連れ出す。
「レオノーラ!スティンガー!」
怒号を放ったレオノーラとスティンガーの側へレイルは寄った。レオノーラは不思議と無傷だ。一方でスティンガーの兜や鎧が焦げ付いている。スティンガーがレオノーラを庇ったのだろう。
レオノーラはツンとした態度でいた。いつもの強気な目つきのまま、スティンガーそっぽを向いている。スティンガーは表情こそ分からないが気まずそうに肩を落としている。
「遅かったじゃん。」
レイルに対してもレオノーラは素っ気ない。
「そうプリプリしないでよ。無事で良かった。」
「無事なのは体だけ。懐は痛いね。」
「体だけでも喜ばなきゃ。スティンガーが守ったんだろ?お礼は云った?」
レオノーラはジロリとレイルを見据え、続いてスティンガーを見た。そしてレオノーラはまたそっぽを向く。
「余計なお世話さ。」
『俺も当たり前の事をしたから…』
「そうか。」
レイルは笑った。あべこべだが、悪くないコンビだ。
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