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ルークは舌打ちし、リクの顔をジロリと睨んだ。排他的な目だ。冷徹と云うより愚直だ。突き詰めている何かを必死に死守しているような目だ。
「…お前達を助けに来たんだよ。」
「お前、まさか…!」
「俺もリストカッターだ。アマデオの仲間だよ。」
「…っ!」
リクは口をあんぐり開けた。
ドロシーがそんなリクの顔を見て笑い出す。
「キャハハハハ!!りっくんそのリアクション最高!」
「いや、え、な、えぇ…?」
「ルー君はりっくんより先に私達の仲間になったんだよ。りっくんの先輩ってワケ。」
「そうなのか?!」
リクは愕然としてルークを見やった。ルークは煩わしそうに顔を背ける。
「ま、ルー君の仕事は諜報とかのサポート役だからさ。会う事無かっただろうけどさ。でも知り合いみたいで良かった!これからまた仲良くやっていけば」
「ンな話はもう良いだろ、ドロシー。」
先輩を呼び捨てにし、ルークは冷めた口調で語る。
「アンタらの身の振り方をアマデオから言付かっている。スプリングネストで合流だと。」
リクは目を細めた。
「アマデオさんが云ったのか?」
「当然だ。生徒会の攻撃が始まったくらいに連絡が来た。」
「この状況を見越していたのか?」
「全てアイツとスヴェインの手の上だよ。」
ルークは無感情に吐き捨て、ドロシーを見やった。
「さっさと行くぞ。ドロシー、転送を。」
「はーい、はい。」
ドロシーは椅子から飛び下りた。
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