8.ジャスト・ムーブ

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アレンはシャーロックとデイジーの二人を見ていた。慎重に瞳を運び、二人を交互に観察する。 そして、笑みを零した。寂しげな笑みだ。 「そうだね。その時を逃していない限り、関わりは続けるべきだ。」 アレンは手札を重ね、トントンと整理する。 「じゃ、チェックと行こう。」 「へっへ~ん。」 シャーロックは得意げに手札を見せた。 6から10のストレート。 「全部捨てて引き当てたのかい?すごいなぁ。」 「今日はついてるぜ、マジで。」 「あたしも。」 デイジーが徐に手札を晒す。 ハートのフラッシュ。 「うぉっ!やるぅ。」 「負けないから。」 シャーロックが囃すのを、デイジーは誇らしげに受ける。 アレンは他人事のように笑っていた。 「んじゃ本命のアレン!お前はどうよ?」 アレンは二人に交互に目を配り、そして手札を見た。 ゆっくり手札を二人に見せる。 スペードのロイヤルストレートフラッシュに見えたがキングが無い。代わりにスペードの3がある。 ブタだ。 「おぉぉ!ヤバい役狙ってたのかよ!あぶねー。」 「意味無いさ。」 シャーロックの大袈裟な反応をアレンは涼やかに流した。 「形にならなきゃ意味ないんだよ。こういう物事はね。」 デイジーはアレンの横顔を眺めた。 時々、アレンは達観しすぎている気がする。
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