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アレンはシャーロックとデイジーの二人を見ていた。慎重に瞳を運び、二人を交互に観察する。
そして、笑みを零した。寂しげな笑みだ。
「そうだね。その時を逃していない限り、関わりは続けるべきだ。」
アレンは手札を重ね、トントンと整理する。
「じゃ、チェックと行こう。」
「へっへ~ん。」
シャーロックは得意げに手札を見せた。
6から10のストレート。
「全部捨てて引き当てたのかい?すごいなぁ。」
「今日はついてるぜ、マジで。」
「あたしも。」
デイジーが徐に手札を晒す。
ハートのフラッシュ。
「うぉっ!やるぅ。」
「負けないから。」
シャーロックが囃すのを、デイジーは誇らしげに受ける。
アレンは他人事のように笑っていた。
「んじゃ本命のアレン!お前はどうよ?」
アレンは二人に交互に目を配り、そして手札を見た。
ゆっくり手札を二人に見せる。
スペードのロイヤルストレートフラッシュに見えたがキングが無い。代わりにスペードの3がある。
ブタだ。
「おぉぉ!ヤバい役狙ってたのかよ!あぶねー。」
「意味無いさ。」
シャーロックの大袈裟な反応をアレンは涼やかに流した。
「形にならなきゃ意味ないんだよ。こういう物事はね。」
デイジーはアレンの横顔を眺めた。
時々、アレンは達観しすぎている気がする。
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