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カークスの事務連絡はその口調も相まって退屈な話になったが、カークスがふと発した一言が教室の雰囲気を一変させる。
「あー…最後にー…転校生を紹介します。」
「転校生?」
エリスが聞き返したのを皮切りに教室がざわつきだした。カークスは面倒くさそうに手を振り、ざわつきを鎮める。
「夏休み中ーにぃ、来たぁ人なぁのでぇ。唐突なぁ紹介ぃになっ、てっ、申し…訳無い…。此処の…こ、と、は、ある、程度説明したぁがっ、授業をー受け、るのーはー、初ぃめてぇー、なので、サーポートしぃてくれぇ…。」
教室中を見渡しながら話すカークスだが、一瞬シオに視線を向けた。意図が読めずシオは首を傾げるがカークスはそれ以上シオを見る事無く話を続けた。
「ブリジットォ、エェリィス、辺り、かなぁ…。頼み、ますわー…。」
「「はい。」」
エリスとブリジットが姿勢良く返事した。真面目な顔をしていても目は好奇心で踊っている。教室中の期待は高まっていた。
「んじゃー、紹介ぃしまぁーすー…。入っててて。」
カークスが手招きすると、静かに扉を開け、ツカツカと教室内に一人の女子生徒が入って来た。
歓迎しようと身構える生徒や好奇な視線を放つ生徒達は一様に、呆気に取られる。それはシオもそうだった。
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