2.再会と遭遇

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ふとシオの視界にアインとエリスが入った。 カークスに云われた通りに、アインに色々手解きしているようだ。エリスは持ち前の人当たりの良さでアインに接しているが、アインは起伏の少ないリアクションで返している。 「なぁ、シオ。」 交代し、リクが長座体前屈を始める。 「何?」 「あのアインって子…気になるのか?」 シオはハッとする。体を伸ばすリクの背中を押す手が一瞬放れた。 「…どうして。」 「今、ずっと見てたぜ。…気持ちは分かるけどな。」 リクは聞きづらそうだった。シオのルーツが分からない事はリクも知っている。迂闊にシオの核心に触れるのは躊躇われた。 「同じ国の出身とかじゃないか?訊いてみたらどうだ?」 「…いい。」 シオは静かに拒んだ。アインに対して興味が沸いているが、今は漸く収まったざわめきが蘇るかもしれない。また喧しくされるのは嫌だった。 「いいのか?」 リクはゆっくり体を起こす。尋ねる声は、心配そうだ。 「いいんだ。」 シオははっきりと答えた。リクは体を起こしきり、深く息を吐いた。 「なんか意外だな。」 「え?」 「好奇心丸出しで人に関わっていくのがシオ、ってイメージだったから。」 シオは停止した。リクの声が切なげだったからだ。途端に後ろめたさに似た感情が背筋を撫でる。 シオは沈んだ。
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