2.再会と遭遇

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「お…何?」 目を丸くして固まるシオの代わりにリクが云った。アインはリクに目もくれずシオを見据えた。 「シオ・クォール?」 無愛想にアインが尋ねた。シオは舌が上手く回らず、ただ頷く。 「会いたかった。」 唐突な云い草にシオは呆気に取られた。 アインの表情は変わらず真っ直ぐだ。早くシオの答えが聴きたいと無言でプレッシャーを掛けてきているように。 シオは何か返さなければと焦るが、アインの言葉で混乱に拍車が掛かる。其処にアインのプレッシャーが入ってシオはまた別の形で追い詰められる。 「君の事を教えて。知りたいの。」 アインの申し出にシオは口をパクパクさせて後退する。アインは一歩踏み込む。シオが一歩退くと、またアインは一歩踏み込む。 「お、おい…。」 シオが明らかに引いている様を見かねてリクが間に入った。アインは敵意を込めてリクを睨み上げた。 「邪魔しないで。」 毅然とアインは云い放つ。彼女の剣幕にリクも後ずさる。 「そんな邪険にすんなよ…。」 「私はシオに話があるの。」 アインが向き直ると其処にシオの姿は無かった。よく見るとシオが近くにいたシャーロックの背中に隠れていた。訳が分からないシャーロックが戸惑うのをよそにシオはシャーロックの背中から怯えた目でアインを眺めている。 「あっ…!もう!邪魔して!」 「そんな怒るなよ…!」 リクに怒りを飛ばして、アインはシオの元に向かおうとする。 「こらぁ!何やってんだぁ!」 アインの足をドルベラットの怒鳴り声が止めた。 「遊んでんなよぉ!ちゃんとやらねぇと落第だかなんな!」 ドルベラットが怒り心頭な様を見てアインは渋々引き下がった。悔しげにシオを見ながら不安げに見ているエリスの元へ行く。 「…何、あの娘。」 シオはシャーロックの背中に捕まったままアインを見送った。 一気に距離を縮めてきたアインの顔は強烈な印象をシオに残した。間近に顔を接近させてきたアインに、シオは心の壁を突き崩された気がした。
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