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「その騒動の時に、君が倒れたって聴いたんだけど。大丈夫なのかい?」
やっぱり。
予感が的中したシオは伏し目がちに頷いた。レイルにまで立ち入られたくは無い。
シオは柔らかい拒絶の態度を取った。
レイルはシオの態度そっちのけで話を続ける。
「七不思議については俺も疑問に思ってたんだ。都市伝説の出所なんて分からないモノだけど、大体一年前からそんなモノが流れているなんておかしいだろ?最近過ぎる。一番バタバタしていた時期だからね、学校全体が。」
レイルの語り口はただ一方的だ。それでも、シオに聴かせようとする意志は見えた。
「七不思議は誰かが作り、意図的に流したモノ…って考えると、成る程、NOISEが遊び半分で調べたくなる意味も分かる。」
「それが?」
耐えられずシオは口を開いた。待ち構えていたようにレイルは微笑んだ。
「此処から先はリカルドが聞いた話と俺が持ち得ている情報を合わせただけの、他愛ない話だから、違っていたら遠慮無く指摘してくれ。」
余念無く前置きを語り、レイルは本題に入る。
「あの時ジャクリーンと君がクローズドホームに侵入した理由は七不思議の一つ、呪われた魔剣を探す為だよね。魔剣が何故クローズドホームにあり、そして君達が其処にあると推測した理由は置いておこう。正直魔剣がどんなモノか気になる所だけど現物は消失したらしいから、これも置いておく。」
理路整然とした語り口だ。シオが口を挟む余地は無い。
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