2.再会と遭遇

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「落ち込まなくていいよ。君の苦しみは分かる。蔑ろにはしないさ。」 レイルのフォローは温かい。頭を捻って答えを編み出す。 「俺にとって君は天使かもしれないんだよ。」 シオは目を丸くした。レイルの発言があまりに唐突だったからだ。 「どういう…意味…?」 「たははっ、ゴメン!気持ち悪い云い方だね。」 自虐的にレイルは笑った。 「でも俺はそれくらい君との出会いに運命を感じているんだ。出来る事なら共に来て欲しい。いや、きっと来てくれる。そんな確信を感じさせてくれる。」 「それは…本当に俺だから、ですか?」 シオには甘過ぎる言葉だった。疑心のような、ささくれた感情が胸に差す。シオが向ける目線からレイルは背いた。 後ろめたい思いがあるのだろうかと、シオは勘ぐる。 「…そう、君だからだ。」 レイルの言葉はどこか物々しい。 「君と、君の隠されたルーツ全てだから、だ。」 「それが俺のモノじゃなくても?俺が、俺じゃなくても?」 シオはレイルの言葉に食い付く。身を乗り出し、レイルに詰め寄った。レイルはシオの剣幕を正面から受け止める。シオを見やる瞳は哀愁に震えている。 「…それを見つけるのは君自身だ。」 口にするだけで痛みを覚えるように、レイルは苦しげに言葉を紡いだ。シオは察しつつも、今は答えを求めた。 「本当に、俺が…シオ・クォールだと…。」 「分からないよ俺には。分からない。誰より先に知るのは君だけだ。俺はただ…君の答えを待つだけだよ。」
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