2.再会と遭遇

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サクリファイスは普段のたゆたう動きでは無く、意志を持った炎のように舞い上がり、変形しながらシオを包み込もうとする。 「落ち着けレイル!止めろ!」 「教えてくれないなら、見つけ出すまでだ、この目で、この手で!」 サクリファイスがうねり、集束してシオの中に入ろうとする。 「レイル、レイル!」 「真実を、本当の事を、約束を…!」 月虎の声は届かない。 レイルは独り、シオに執着する。 「っ!」 シオの胸に入りかけたサクリファイスが衝撃で弾き飛ばされた。レイルは明確な敵意を剥き出しに、衝撃が来た方向を睨む。 「誰だ…?」 「シオ・クォールに触れるなっ…!」 小柄ながらも猫のように肩を震わせ、怒りをたぎらせるアインが出入り口に立っていた。 「君はっ…!」 シオを連想させる外見の彼女にレイルは一瞬戸惑いを見せる。だがレイルのそんなリアクションに構わず、アインは右手を突き出した。 「セノーテ…」 術を唱えるなり、アインの周囲に青い粒子が発生する。 「アトモスフィア…?!」 レイルの戸惑いは更に高まる。アインが解放した力の為に、益々彼女の姿がシオと重なる。 「レイルっ!ボケッとするな!」 月虎の一声でレイルは覚醒し、右手にプラズマを発生させた。 しかし、それより速くアインが粒子の集束を完了させた。 「アルカナドロップ!」 粒子で満タンになった水の塊が五発撃ち放たれた。
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