2.再会と遭遇

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「そろそろだよ、いいのかい?」 「あぁ?」 急に穏やかな口調で話し出したレイルにスヴェインは眉を顰めた。レイルは悠々と携帯電話を取り出し、開いた。 午後一時二十分。 「後十分で三十分。三十分前行動がモットーだったよね、君。停学処分者は午後二時に監察員と面談だろ?遅れていいのかな。」 「…知らなかったんじゃねぇのか、俺が今日来る事。」 「学校の規則やマニュアルは詳しいんだ。 、、、 立場柄。」 スヴェインはレイルの携帯電話を見やり、自身の目で時刻を確かめる。 「…ちっ。」 スヴェインは両手のナイフを器用に回し、腰に巻き付けたホルダーに仕舞った。そして踵を返して歩み去る。迷い無い足取りで屋上から立ち去った。随分とあっさりした結末だ。 「ンだよ、アイツ…!」 「気にしなくていいよ、月虎。ああいう奴だ、スヴェインは。」 冷静に対処するレイルだが、月虎は違和感を覚えた。シオの時とはまた別の感情を露わにしている。 スヴェインの前でレイルは終始闘志を漲らせていた。スヴェインが挑発的だった事を差し引いても、レイルはいつスヴェインが襲い掛かっても大丈夫なように構えていた。 二人の対峙は一触即発だった。 「…俺達も行くぞ。」 レイルの右腕を掴み、月虎は引っ張った。何はともあれ今のレイルは平常じゃない。落ち着かせ、問い質す必要がある。 スヴェインが去って雰囲気が落ち着いた今がチャンスだ。
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