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「他の奴らは?」
嘗て教室だったと思われるフロアからうらぶれた机を引っ張り出し、スヴェインは腰を下ろした。アマデオはスヴェインと向かい合う形で、適当な椅子を出して腰掛けた。
「各々忙しいのさ。寂しいのかい?」
「殺すぞ。」
「焦らない焦らない。」
あくまでマイペースにニヤケるアマデオだが、スヴェインのしかめ面は酷くなる。場を取りなす気も見せず、アマデオは手を叩いた。
「あぁ、そうだ。知ってるかい?いや知らないか。転校生の話だ。」
「あぁ?」
知ったこっちゃ無い、とスヴェインが目で訴える。アマデオは気に止めず、軽やかに舌を回した。
「性は女、学年は一年、クラスはB。」
「だからなんだよ。」
「名前を聴きなよ。アイン・アイリス。アイリス、アイリスだ。」
スヴェインが片眉を上げた。
「ふざけてんのか?」
「至って真面目さ。そしてそういう事態だ。」
「…妹か親戚じゃないのか。」
「生徒会も調べているだろうが、アイリス家が今更サンドハーストに関わるとも思えない。アンチアドレフォレストの筆頭だからねぇ、あの家は。」
スヴェインは頬杖をついて目つきを変えた。多少なりとも興味を出したらしい。
「誰の手引きだ?」
「即答は出来ないね。それに…
、、、、、
君の手引きだとばかりに。」
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