3.インディケイション

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「…そいつならさっき会った。」 「ん?どっちに?シオ・クォール?アイン・アイリス?」 「あー…両方だ。」 「ならそいつらだ。」 アマデオのテンションがまた高くなる。ギョロリとした目を輝かせ、鷲鼻を小刻みに動かした。 「どうだった?前者は良く知っているが後者はまだよく知らない。」 「喋った訳じゃねーよ。良くは知らない。…変な魔法を使うくらいだな。青い粒子を水と組み合わせる魔法。氷水系でそんなのあったか?」 「…青い粒子?シオ・クォール、男の方じゃなくて?」 「女の方だ。」 アマデオの目つきが変わった。軽はずみな好奇じゃない、思索する目つき。 アマデオの変化をスヴェインは感じ取る。 「何だよ。何か閃いたら教えろ。」 「今はまだ仮説の段階だ。語る価値があるかどうか。だが…いや全く、偶然とはかくも…」 「勿体ぶりやがって。」 舌打ちしたスヴェインはそれ以上問わなかった。 「大丈夫なんだろうな。邪魔になるような事になりそうか?」 「パンドラも開けなきゃ箱に何があるか分からないさ。彼方がそうなら、此方も。固唾を呑んで推移に身を委ねる。」 「ノープランって話だろ。ダラダラ喋んな。」 スヴェインに指摘されてもアマデオはせせら笑っていた。 「性急だよ、ミスター。楽しい物事には楽しいだけの対価が必要だ。それを喜んで支払うくらいの気概はあって然るべきだ、そうだろう? 笑えよ、スヴェイン。心躍る展開がこの先にきっと立ち並んでいる。詰まらない諍いやしがらみは捨ててしまえ。余計な手出しも御遠慮頂こう。 俺達だけのモノにするのさ。もしそうなった時を考えてみろ。 、、、、、、、、 ほら、笑えてくる。」 満面の笑みでアマデオは謳う。 だが、スヴェインは終始笑わなかった。頬杖を着いたまま、無感情な瞳をアマデオに向けていた。
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