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「購買部からの窃盗騒ぎでアマデオの行方が分からない。サンドハースト中を虱潰しに捜させてはいるが…。」
「森林地帯にある廃棄プラントの数は多いし、散らばっている。簡単に見つかりはしないだろうね。」
「後日人を集めて囲むさ。森狩りだ。」
「そうだね。アマデオの仲間も見当ついているんだろう。」
リカルドは頷いた。
「此処最近の騒動に関わっている主要メンバーは掴んでいる。解放された蜻蛉番場飛白、ドロシー・ハプス・オーレル、クレムフェン・アルス・ウォーデンクルフ、月白リク。このうち飛白とアルスはアマデオと行動しているらしく行方不明。堂々とスクールライフを満喫しているドロシー・ハプス・オーレルと月白リクは後日聴取、必要あれば確保する。」
「是非も無し、だね。」
「当たり前だ。もうそういう局面だからな。」
「全てはあの日の為に、か…。」
レイルは感慨深く呟いた。コバルトブルーの瞳が感傷に浸っているように見えた。
「最後まで、スヴェイン達とは分かり合えないのかな…。」
「腑抜けた事を。アイツ等と分かり合える訳が無い。」
「スヴェイン達の想いは良く知っているんだけどね。」
レイルが寂しそうに云った。だがリカルドは毅然と、レイルの言葉を断つ。
「所詮は相容れない奴らって訳だ。珍しい話じゃない。世の中にごまんといるそういう連中の一部だ。分かり合う必要など…」
「もういいよ、リカルド。」
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