3.インディケイション

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眉をしかめてレイルが話を流した。僅かに瞳が陰った。 気に障ったのだろうか。リカルドはそう判断して気まずげに目線を反らした。 「…とにかくアマデオ一派の始末は任せろ。お前の許可を得たんだ、近日中には必ず成果を上げる。」 話を切り上げようとしているのかリカルドは早口だ。さっさと話し終えてリカルドは立ち上がった。 「じゃあこれで…」 「リカルド。」 レイルに呼び止められ、背を向けていたリカルドは動きを止めた。 「…何だ?」 「転校生の話とか、無いの?」 レイルの両目が急に威圧的になったように見えた。先程リカルドに対して見せた嫌悪とは違い、瞳から妄執を直接注いでくるような切迫感がある。 「あぁ…」 リカルドは頷いてレイルに向き直った。逆らえなかった。友人という立ち位置を超えた畏怖に従わされたのだ。 「お前は会ったんだな。話は聴いている。シオ・クォールと同じ魔法を使うらしいな。」 「詳しく知りたいんだ。」 敵対している筈のスヴェインへの皮肉は許さない頑なさを持ちながら、見も知らずの転校生に興味を示す。レイルの心境が読めない。良く知った仲間と急に隔たりが出来たような気がしてリカルドは気まずい心地になったが、顔にでないよう気を付けながら再びチェアーに座った。
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