28.ファントムペイン

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舞う、青い閃き。 映える、青い瞬き。 レイルは走っていた。木々の合間を走る。周囲にプラズマを煌めかせながら。 「シフトショック!」 プラズマの弾丸を大量に精製し、レイルは発射した。プラズマの弾丸は木の幹を貫いていく。 「・・っ!」 レイルと並列しながら、『彼』はシオの体を走らせ、シフトショックを次々とかわした。軽快な足取りだが表情は思わしくない。 「やっぱり俺の体じゃないからな・・!」 ウェルキンは呟き、青い粒子を立ち込めらせた。だが粒子はシオの時より輝きが弱く、量も少ない。 「さっさと目覚めてくれよ・・!」 「シフトショック!」 レイルが容赦なくプラズマの弾丸を飛ばす。ウェルキンは風に乗せた青い粒子でプラズマの弾丸を掻き消した。 「容赦ないなぁ・・。」 ウェルキンは唇を舐めて青い粒子を結集させた。風を巻き込み、巨大な波動となる。 「フローティングトマホーク!!」 青く輝く巨大な波動がレイル目掛けて放たれた。だが普段のフローティングトマホークより勢いと大きさに欠けていた。 「届かない・・・っ!」 レイルは両手にプラズマの剣を作り上げ、正面からぶつかった。 「ソードダンス!!」 二刀の剣が舞い、フローティングトマホークを切り裂いていく。鮮やかな剣捌きでレイルはフローティングトマホークを打ち払い、ウェルキンの眼前に迫った。
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