4.ビフォア・スコール

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「りっくんもお呼ばれしたんだー!奇遇ぅ~♪」 「呑気っすねぇー…。」 「二人共ちゃんと部屋に入っててよ!」 部屋に入ったドロシーの後ろから顔を覗かせたサリア・リンクスが念を押すように云った。赤縁の奥の両目は神経質そうだ。 「はーいはい、分かっていまーす。」 「はぁっ、はぁっ…。云っとくけど逃げないでねドロシー!」 「えぇー。どうしよっかなぁ♪」 「ドロシー!」 可愛い子ぶって誤魔化すドロシーをサリアはキッと睨み付けた。息が上がっている。恐らくドロシーを呼び出す為に奔走したのだろう。ドロシーは空間操作系の魔法を得意とする。ワープなんて得意中の得意だ。サリアがドロシーを追い掛け回す姿は容易に想像出来た。ドロシーの事だ。何の意味も無く、無邪気にサリアをからかっただけなのだろう。 「まぁーいいや!りっくんいるし、あたし此処にいるー!」 リクの右腕に抱き付いたドロシーはにこやかに云った。胸を右腕に押し付けられ、リクは戸惑う。 「…あっそ。ごゆっくり!」 サリアはリクとドロシーを睨み、ドアを乱暴に閉めた。 「ちょっ、ちょっとドロシーさん…!」 「何ぃ?りっくん照れてるのー?良い女が抱きついているんだよ!もっと正直になりなよ。」 そっと股間に手を伸ばしてきたドロシーを慌ててリクは突き飛ばした。
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