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「りっくんもお呼ばれしたんだー!奇遇ぅ~♪」
「呑気っすねぇー…。」
「二人共ちゃんと部屋に入っててよ!」
部屋に入ったドロシーの後ろから顔を覗かせたサリア・リンクスが念を押すように云った。赤縁の奥の両目は神経質そうだ。
「はーいはい、分かっていまーす。」
「はぁっ、はぁっ…。云っとくけど逃げないでねドロシー!」
「えぇー。どうしよっかなぁ♪」
「ドロシー!」
可愛い子ぶって誤魔化すドロシーをサリアはキッと睨み付けた。息が上がっている。恐らくドロシーを呼び出す為に奔走したのだろう。ドロシーは空間操作系の魔法を得意とする。ワープなんて得意中の得意だ。サリアがドロシーを追い掛け回す姿は容易に想像出来た。ドロシーの事だ。何の意味も無く、無邪気にサリアをからかっただけなのだろう。
「まぁーいいや!りっくんいるし、あたし此処にいるー!」
リクの右腕に抱き付いたドロシーはにこやかに云った。胸を右腕に押し付けられ、リクは戸惑う。
「…あっそ。ごゆっくり!」
サリアはリクとドロシーを睨み、ドアを乱暴に閉めた。
「ちょっ、ちょっとドロシーさん…!」
「何ぃ?りっくん照れてるのー?良い女が抱きついているんだよ!もっと正直になりなよ。」
そっと股間に手を伸ばしてきたドロシーを慌ててリクは突き飛ばした。
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