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「レイル!!」
ヲリエが叫んだが、レイルは止まりもせずに飛翔し、ヲリエとウェルキンを斬り付けてきた。巨大な剣から繰り出される斬撃にレイルとウェルキンは防戦を余儀なくされる。
「なんで、アンタは!意固地なのっ!」
ヲリエがブリューナクで斬撃を払いながら呼びかけた。レイルは答えず、無言のまま二人を追い詰める。
「まだ終わりじゃない・・!」
ウェルキンが近くの木の幹を蹴って跳躍し、青い粒子を纏わせてレイルを攻撃した。
「レイル!」
「届かない。」
レイルは両脚の脹脛の辺りにパルスガジェットを現出させて、空中で体を回転させた。ウェルキンをやり過ごし、トワイライトバルムンクの一振りで薙ぎ払う。ウェルキンは地面に転がった。
「ウェルさん!」
「次はあなただ。」
レイルがヲリエに急接近し、斬りかかった。想像以上の速さにヲリエは反応が遅れる。
「しまっ・・・!」
「ヲリエ!」
ウェルキンが走り、ヲリエを押し倒した。ウェルキンが遮る形でレイルの前に現れる。
「っ!!!!」
レイルの表情が一変し、動きが急停止した。予想外の行動にウェルキンは首を傾げたが、隙を見てレイルにインパルスレイヴをぶつけた。
「ちっ・・!!」
数発受けたレイルは退き、着地した。右半身に付いているパルスジェットが停止している。
「ははっ・・・!全く、甘いなぁ、俺・・・!」
レイルの両手は震えていた。冷や汗も流している。動揺しているように見えた。
「今の・・!」
ヲリエが立ち上がりながら云った。ウェルキンもレイルの動揺を感じていた。
「あいつ・・」
「仕切り直しだ。」
動揺を振り切ったレイルがパルスガジェットを再起動させ、飛翔した。
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