29.ナイト・サイド・リベリオン

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シオにとってサンドハーストは楽しい場所だった。 新しい出会いと新しい発見が心を擽り、期待が日々を彩った。 そんな場所で何故こんな事が起こるんだろう。苦しく、辛い出来事が心を挫けさせる。順調な足取りがもつれる。 途端に恨めしさが募った。 どうして、どうしてこんな事に。 出来事は起こるものじゃない。起こすものだ。擦れ違いやぶつかり合いが因子となり、人が出来事を起こすのだ。 あんな事が無ければ。 、、、、、、、、、、 あんな人がいなければ。 シオは頭を抱えた。嫌な感情だった。捨てようともがく。 レイルの過去は悲しい。 だが過去は変えられない。今しか変えられない。 今のレイルは?負の感情に露わにするレイルは? どうすればいい? どうすればいいんだ? シオは思考した。暗い影から出ようと思考を走らせた。 不意に震えが起こった。ウェルキンの感情だ。尋常じゃない。シオはハッとして感覚を研ぎ澄ませた。ウェルキンの感情の大元を追う。嫌な気配がした。怖くなった。それでも追った。本能的に心が駆け出していた。 脳裏にビジョンが映った。 ヲリエだ。 、、、、、、、、、、 胸を貫かれたヲリエだ。 蓮の花のオブジェがひび割れ、粉々に砕け散った。
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