4.ビフォア・スコール

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「レイルさんの野望って…何ですかね?」 「えっ?!りっくん知らなかったの?!」 ドロシーの大袈裟なリアクションにリクはバツの悪い顔をした。 リクがアマデオ一派、もといリストカッターに身を置いている理由は生徒会が使う手段に反発したからだ。思えばレイルの目的に言及した事は無かった。 単細胞過ぎる自分をリクは恥じた。 「ま、りっくんはあたし達と連んでる理由が理由だし、仕方ないか。」 リクの意を汲んだドロシーは今度は普段の、気の抜けた調子で話し始めた。 「表に出してはいないけど、レイル・コンスタンティノーブルの目的はセカンドアドレフォレストなんだって。」 「セカンド、アドレフォレスト…。」 「具体的に何をするかは分からないけど、多分、ユニオンに喧嘩を売るんじゃないかな。」 「ユニオンに?」 リクは驚きを隠せない。相手は世界各国に多大な影響力を持つ多国籍政治連合体だ。それに喧嘩を売ると云うのだ。 「あたしもあんまり詳しく知らないんだけど。あたしもりっくんみたいなもんだからさ。」 ドロシーは頭を掻きながら照れ笑いした。 「そうなんですか?」 「あたしはりっくんみたいに正義感が強いとか無いからさー。ただ楽しければいいんだ。」 リクは目を丸くした。想像していたよりずっとラフな動機だったからだ。 「あー、その顔禁止!肩身狭くなるからぁ。」 口を尖らせるがドロシーは楽しそうだ。 「あたしの家、ちょっとした貴族みたいな感じなんだ。もう格式って云うの?バカみたいに厳しくてさぁ。だからサンドハーストに来たんだ。全寮制で自由そうだったし。」
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