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「ぐるぁっ、がっ…！！」
シオが苦しげに唸った。魔力は現在進行形で急激にレイルに取り込まれている。堪らなくなったのか、シオはレイルを投げ飛ばし、触手を引っ込めた。
レイルは着地し、服についた土埃を払った。
「終わらせよう。パルスガジェット。」
レイルは背中にパルスガジェットを一対現出させた。
レイルの変化を悟ったのか、シオは触手を一斉に伸ばした。レイルはパルスガジェットを発動し、衝撃波を推進力にして飛び上がった。触手が追尾する。レイルは木々の合間を縫って回避していく。
レイルが不意に上昇し、梢を破った。触手も付いて行く。レイルは触手を撒きながらトワイライトバルムンクを形成した。
「しっ！」
接近してきた触手を薙ぎ払い、レイルは左腕を振るった。針が撒き散らされる。針は広範囲に落ちてきた。
「ヴァイスマサカー。」
一瞬で大量の亀裂が出現し、触手を断ち、木々を寸断した。一部の亀裂がシオの体を傷付けていた。
「がぁあああっ！！」
シオは身動ぎし、破壊された触手を振り払って千切ると後退した。亀裂に断ち切られた触手は粒子化し、シオへと取り込まれていく。
レイルは止めを刺そうとシオを追跡した。レイルの接近を察したシオは触手を結集させ、先端を寄り集めた。粒子を充填させ、青黒い光の塊を作り出すと、撃ち放った。
レイルは空間の亀裂を作り出してシオの攻撃を無効化すると、亀裂を閉じて速度を上げた。シオは粒子を大量に散布し、防衛網を構築した。中に入れば一挙にレイルの魔力が流出するだろう。
だがレイルは構わず突進した。防衛網の中に入る。粒子が全身に纏わり付く。だが、レイルの魔力は微塵も減らなかった。
シオは苛立ったように触手を動かした。レイルを直接捕えようとする。
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