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「りっくん~?」
ドロシーがリクの間近まで顔を近付けてきた。
「うわっ!」
息がかかるくらい寄られて、リクは跳ね上がったがドロシーが首に回していた両腕によって制止された。
「どうしたのぉ?いきなりポーッとして。」
ドロシーは悩ましげにリクを直視する。どこからともなく鼻を芳しい香りが擽る。はだけた胸元がリクの胸に付けられる。彼女の体はリクの両腿に乗っている。胸の大きさや身長に見合わず彼女は軽く、温かい。綿の人形を乗せているようだ。
リクは軽く錯乱した。
目のやり場が分からない。ドロシーを見返せないし、俯けば眼前に谷間がある。仕方無くリクは首を無理矢理傾けて、あらぬ方向を見た。
「なん…も、無いです。ってか、放して…。」
「やぁだ。」
ドロシーは唇を舐めた。唾液とリップクリームで照る唇は艶めかしい。謎の芳しい香りがまた一段と濃くなった気がした。
ドロシーはリクを無理矢理自身へ向けさせた。
「ちょっ、ちょっとやめてください!」
「やめてって何を?何をされるって、りっくんは考えているのかなぁ?」
「ンなの…!」
リクの頭に様々な想像が過ぎる。どれも、桃色だ。
「とにかくっ!止めてくれっ!」
「だから何を?云わないとー…やめてあげない♪」
構わず、強引に、ドロシーは顔を近づけてきた。
艶っぽく潤んだ唇が迫る。
リクに為す術は無い。
リクは、食べられる気がした。
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