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『・・もう良いか?通信は以上にする。』
「あぁ、付き合わせて悪いね。」
『機を見て終止符は打つ。我々とてこれ以上手を拱いてはいられない。』
「やり方次第だよ、君達の。」
オブライエンは深々と煙を吐いて、葉巻を潰した。
『理事長。私も一介の大人だ。どうすべきか、どうあるべきかは心得ている。
、、、、、、、、、
全ての報いは果たす。』
「オブライエン?」
理事長が問いかけるより早く、オブライエンは通信を切った。
書斎に沈黙の帳が降りる。が、ディスプレイにまた新しい、音声のみの通話が入った。
「私だ。」
『ベルクロフト・ラージッドです。』
「やぁ。首尾は?」
『シオは回収しました。すぐそちらに。』
「ありがとう。」
『例のスパイはどうします?無残な姿をお蔭で奪還は多少楽にはなっていますが。』
「放置しておいていい。人質の価値が無い事は彼らも分かっているだろう。」
『酷な事で。では後程。』
通話を切り、理事長は立ち上がった。窓の傍へ寄る。
空は昏くなろうとしていた。陽は徐々に傾き、昼間の明るさを西へ仕舞い込んでいく。暑さも尾を引き、湿気と微妙な涼やかさが代わりに空気中に分散する。
「さて、どうなるか・・。」
シオと何を話そう。
理事長の頭の中はそれで一杯だった。
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