4.ビフォア・スコール

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校舎の外、森林地帯。 「エドガー隊、黛隊、月虎隊、アルフレッド隊による森林地帯の包囲は?」 学生寮の裏、建物から100m程離れた地点に設けられた地点にある野営テント。パソコンや書類が並ぶデスクやオペレーターが腰掛ける椅子が並ぶ中、最奥部の椅子で指揮官のようにリカルドが腰掛けていた。 「スヴェインを尾行して掴んだ廃棄プラントの位置を中心に、部隊を四方に配置しました。あなたのゴーサインでいつでも行けます。」 リカルドの問いにルーカ・ディエゴが淡々と答えた。茶味ががった金髪をたたせ、時折度付きのサングラスを神経質そうに直す。端正な顔にはあからさまな不安がありありと表れている。 「先陣にならなかったのが不満か、ルーカ。」 リカルドに目敏く指摘され、ルーカは眉をしかめた。 「別に…。」 「後方支援も立派な戦力だ。」 「…分かっています。」 ルーカは出掛かった反論を飲み込んだ。 後方支援に含まれてはいるが、実質的な指示はクローズドホームにいるサリアが行う。ルーカはサリアの指示を現地に送る連絡役でしかない。 ルーカは不満タラタラだった。しかし無理強いして変更できるような配置では無い。実際先頭に出ているのは自分より遥かに格上の実力者達だ。肩を並べるには役不足だと云う事も理解している。 その理解度が高い自分へも腹が立った。 だがリカルドに指摘されてからは表に出さないように努めた。仏頂面を作ろうと、意識して表情筋を動かした。
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