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【盗賊・春馬】
??「いい着物じゃねーか」
盗賊「全くだ。こりゃ高く売れるな」
聞き慣れない声に目を覚ますと、知らないお堂のような所で寝ていた。
〇〇「あ…あなたたちは?」
目の前には、茶髪の男が鋭い目で私を見下ろしていた。
遠巻きに大勢の男達がずらっと座っている。
??「見りゃ分かるだろ?盗賊だ」
〇〇「!?真人と宿禰は?」
??「知らねーよ。金になりそうなの、お前だけだったからな」
〇〇「……生きてるの?」
??「俺は命奪わねぇ主義だからな」
茶髪の男は私の耳元でささやくと、ニヤリと笑う。
〇〇「な……!」
盗賊「お頭っ!その女どうするんですか?」
盗賊「着物ひんむいて、身売りに出しましょーよー」
??「黙れ!お前らっ!!これは俺の獲物だ。好きにさせろ」
〇〇(何……この人……怖い!!)
??「……!お前、怯えてんのか?」
〇〇「あ……当たり前ですっ!」
??「さっき俺に見とれてたのにか?」
〇〇「…!?そんな訳ないでしょ!!」
??「……変な女……」
そう言って笑うと、茶髪の男は私の着物に手をかけた。
春馬「……盗賊・春馬って聞いたことねぇか、女」
そういいながら、どんどん着物を脱がせていく。
〇〇「いやっ!やめてっ!」
私が暴れると、押し倒されて身動きがとれない状態にされてしまった。
春馬「……我慢しろ…」
〇〇(…え?)
泣きながら春馬と名乗る盗賊を見上げると、驚くほど優しい眼差しで私を見下ろしていた。
気をとられたすきに、肌着だけにされてしまう。
春馬「お前らにコレやる……さっさと売ってこい」
盗賊「流石、お頭っ!!」
お堂にいた男達は、私の着物を手に意気揚々と着物を売りに行った。
〇〇(もしかして、助けてくれた?)
春馬「おい……お前、名前は?」
〇〇「……〇〇……」
春馬「……〇〇、ついて来い」
そう言うとお堂の奥へと歩いていく。
私は、混乱する頭のまま盗賊・春馬の後を追いかけた。
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