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【4人の旅】
私と春馬は、一日かけて歩き、宿禰と真人に合流した。
宿禰「姫っ!良かった、無事でいらしたのですね」
真人「お姉様っ!」
真人が私に抱き着いてくる。
〇〇「真人も宿禰も……無事で良かった……」
春馬「……」
そんな私の様子を春馬はじっと何か考え込むように見ていた。
宿禰「やや!このものは、先日の賊っ!」
宿禰が春馬に気付いて小刀で斬りかかった。
キンッ
それを、春馬は微動だにせず、腰に刺した刀の鞘で受け止めた。
春馬「やめとけ。別に襲いに来た訳じゃない」
宿禰「!!」
〇〇「宿禰、この春馬が私たちを京へ連れて行ってくれるのです」
宿禰「この賊が!?」
春馬「賊、賊ってうるせーんだよ!!」
真人「京に連れていってくれるの?」
私にしがみついていた真人が、宿禰に怒鳴る春馬に駆け寄る。
〇〇「あ……!」
春馬「おう。任せろ、ガキンチョ!」
春馬は優しい手つきで真人を撫でると、ニカッと笑った。
それを見て真人も笑う。
〇〇(ふふっ。盗賊なんて嘘みたい)
宿禰「姫……彼は本当に信用出来るのでしょうね?」
〇〇「多分……ね!信じてみましょう」
宿禰「姫!」
春馬「ぐだぐだ言ってねーで、先に行くぞ」
真人「行くぞっ!」
こうして私と春馬、宿禰、真人の旅は始まった。
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