第1章~中学卒業~

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「起立!有難う御座いました!」 ルーム長が最後の号令を掛ける。 皆が帰宅を始めた。 これで皆とお別れだと感じると、少しだけ目頭が熱くなる。 「またメールするからね。」 「うん。絶対だよ。」 校門の前で友達はそれぞれに別れを告げると、10分後にはほとんどの友達は帰った。 タンポポの綿毛が散るように。 鳥の雛が巣から巣立つように。 その姿を見守る親の気持ちが、ちょっとわかる気がする。 呆然と立ち尽くしていると、 彰人が寄ってきて言った。 「澤村帰るか。」 「うん。」
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