The beginning of the end : おわりのはじまり

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「……いた」 彼女の瞳に鋭利な光が宿った。膝をたわめ、前に身体を傾け、そのまま―― 虚空へ身を投げた。 彼女の身体は、しかしそのまま落下することはなく……まるで重力が激減してしまったかのように、緩やかに目標物を捉えて宙を舞っていた。 向かい風は彼女の肌を撫で、髪を巻き上げ、ドレスをはためかせた。 青い蝶もまた、夜の闇を風を切って突き抜けた。
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