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彼女が着地したのは住宅の並ぶ静まり返った路地。
足が地面に着く瞬間に膝を曲げて衝撃を吸収する。
彼女の目当ては目の前にいた。
手を紅く染め、何かに追われているかのように焦りに満ちた表情をした、30代半ばの男。
歯軋りさせて、突然空から降ってきた彼女を、狂気に侵された目付きで睨んでいる。
「な……っ、何なんだよお前はよぉっ!!」
その男は自分の行こうとした道を塞がれたからか、理性の欠片もない口調で叫んだ。
が……彼女はそんなことは気にしない。
ゆっくりと立ち上がり、狂喜の表情で手を頭上に上げる。
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