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昨晩、バイト先で残業を頼まれて帰るのが遅くなったはずだ。
普段なら、残業等せずに帰るとこなんだが、いつもお世話になっているバイト先の先輩に懇願されて、仕方なく了承したのが始まりだった。
「実は…この後入る予定の人が来れなくなったみたいなの。
この時間に1人は怖いから、残ってくれないかな?」
俺に残業を頼んできたのは、バイト先で1つ上の野上美沙(のがみみさ)さん、22歳だ。
背は小柄で、長い黒髪が腰まで伸びている。
二重瞼で小顔、はっきり言って好みのタイプだ。
性格も明るいし、1人でも大丈夫だと思うけど、問題がこのバイト先の場所だ。
この辺は田舎で、さらに県境だ。
ここから先は、山道になり向こうに抜けるまでコンビニは、ここしかなかった。
つまり、夜になると、ほとんど人気がなくなり近くの店も閉まるので、辺りは真っ暗になるのだ。
美沙さんは、それが不安らしい。
なので、断る理由もなく残業を引き受けたわけだ。
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