バイト先で

2/8
前へ
/106ページ
次へ
昨晩、バイト先で残業を頼まれて帰るのが遅くなったはずだ。 普段なら、残業等せずに帰るとこなんだが、いつもお世話になっているバイト先の先輩に懇願されて、仕方なく了承したのが始まりだった。 「実は…この後入る予定の人が来れなくなったみたいなの。 この時間に1人は怖いから、残ってくれないかな?」 俺に残業を頼んできたのは、バイト先で1つ上の野上美沙(のがみみさ)さん、22歳だ。 背は小柄で、長い黒髪が腰まで伸びている。 二重瞼で小顔、はっきり言って好みのタイプだ。 性格も明るいし、1人でも大丈夫だと思うけど、問題がこのバイト先の場所だ。 この辺は田舎で、さらに県境だ。 ここから先は、山道になり向こうに抜けるまでコンビニは、ここしかなかった。 つまり、夜になると、ほとんど人気がなくなり近くの店も閉まるので、辺りは真っ暗になるのだ。 美沙さんは、それが不安らしい。 なので、断る理由もなく残業を引き受けたわけだ。
/106ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加