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時折お菓子やご飯を作ってきては味見(毒見というべきか)してくれと言ってくることもあった。
俺も共働きの親のせいで料理は親以上には自信はあったが、やっぱり見よう見まねじゃあ光希に敵う訳がない。
同級生からはよくからかわれていたが、俺も光希も気にしないでいた。
中三の高校受験の時は、光希が勉強に追いつけるか心配で一緒の高校を受験をした。
光希は「もっと上の高校を受験すればいいのに」と言ったが、通学に時間がかかるだのなんだの理由をつけて言葉を濁した。
高校入試では席は離れたが、試験が終わる度、俺の席までやって来ては答え合わせと次の教科の復習をしていた。
その甲斐あってか、俺達は合格した
高校に入学をしても俺達は同じクラスになった。
中学からの友達からは「ホントに仲良いね」と言われたが、そんなことはないような気がする。
幼なじみだからこそ良いところも知っているし、悪いところも知っている。
そんな彼女だからこそ気がついたら好きになっていたのかもしれない。
彼女の好きな先輩のことも知っているし、先輩が彼女とあるいているのを一緒に目撃をして、告白をせずにフラれたことも知っている。
それに光希は鈍感だから、冗談だと思われるかも知れない。
俺も男としてのプライドがあるから冗談に終わらせたくはなかったから告白はまず夢を叶えてからにしようと思った。
そんな俺は大学はアメリカの医大に行くことになった。
医者になり光希の身体を治したいという子どものときに決めていた。
日本へ光希を残して行くのは心配だが、光希のために頑張って医者になって、胸を張って光希に告白をしようと決めたのが大学入試当日だった。
成人式には日本に帰れることになった。
だけど成人式には光希の姿は居なかった。
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